設立趣意書

名古屋市では、「文化の香り高いまちづくり」を基本理念とし、歴史と伝統を生かした個性豊かな市民文化の創造をめざして、新しい文化施設・事業の具現化をすすめてきました。
特に市民の自主的な文化活動や芸術文化事業、国際的な文化交流事業などを促進するために、長期かつ安定した財政的な基盤として、文化振興の基金を設置するとともに、これらの活動や事業の中心的施設として、芸術創造センターを建設してまいりました。

また、今後とも文化的な環境を整備するために、諸施策・諸事業の検討をすすめております。

しかし、もとより市民文化は、市民自らが日常生活の中で受け継ぎ、創造し、次代に引き継ぐという形で発展するものであり、市民の積極的、自主的な文化活動は、今後ますます増大し、多様化するものと考えられます。

このような、市民の文化創造意欲を尊重し、その活発な活動を促進するためには、芸術文化団体や文化関係者の活力と協力を得て、現代にふさわしい文化活動の機会の充実に努めることが必要であります。

これらの背景をふまえ、現代の文化・芸術を創造し、普及する事業を推進するために、市民とともに、「名古屋市市民文化振興事業積立基金」を効果的に活用し、あわせて文化団体等を中心として、市民が利用する新しい文化施設を有効に管理し、市民文化の振興を図ることを目的として、財団法人名古屋市文化振興事業団を設立しようとするものであります。