芸術創造賞

芸術創造賞は、名古屋市文化振興事業団の初代理事長・故亀山 巌氏から受けた寄付を基金とする賞です。名古屋を中心に活動し、前年度における芸術創造活動が特に顕著で、今後の活躍が期待される個人または団体に贈るものです。このたび第39回の受賞者を決定いたしました。
尚、授賞式は、令和5年8月28日(月)14時00分より、名古屋能楽堂 会議室(名古屋市中区三の丸1番1号)にて行います。

令和5年度 第39回芸術創造賞受賞者決定

岡田 保  <舞台美術>
常磐津綱鵬 <伝統芸能(常磐津)>

受賞者について

岡田 保/ 舞台美術
 1986年生まれ。高校演劇から大道具にかかわり、演劇組織KIMYO第2回公演「デモーニッシュ」以降、KIMYOのほぼ全ての舞台美術を担当。そのほか、劇団うりんこ、劇団あおきりみかん、劇団テアトロ☆マジコなど、名古屋の様々な作風の劇団の美術を担っている。

 東京発のプロジェクト「ぐりむの法則」シリーズ、名古屋市文化振興事業団主催公演など商業演劇やミュージカル、オペラなどの大規模公演の舞台美術も多数担当するなど、小規模から大規模まで様々な公演に携わりながら、演出意図を期待どおりに具現化できる稀有な舞台美術家として、なくてはならない存在になっている。多忙な中でも、最後まで公演制作に寄り添い、細部にまで気を配る人柄も評価されており、今回の受賞に至った。

  • 岡田保

前年度(令和4年度)の主な活動状況

2022年6月

座うたざ公演 オペラ「星に住んでいる」舞台美術

2022年8月

総合劇集団俳優館 ミュージカル「あらしのよるに」舞台美術

2022年9月

劇団アルクシアター第19回公演「南島の美女と兵士たち」舞台美術

2022年10月

演劇クルー遊楽演第26回公演「軽井沢の三姉妹」舞台美術

2022年11月

AMミュージカルvol.4「ゴールド」舞台美術

2022年12月

武豊町民劇団TAKE TO YOU主催「ユウエンチの秘密」舞台美術

2023年2月

演劇組織KIMYO「ピーポウ」舞台美術

2023年3月

名古屋市芸術創造センター連携企画「森は生きている」舞台美術

常磐津綱鵬/伝統芸能(常磐津)
 名古屋市生まれ。高校生の時、12代目市川宗家より許された「名古屋むすめ歌舞伎」に入団し、女流歌舞伎役者として活動する。2000年常磐津綱男氏に常磐津を師事。2006年常磐津節17代目家元常磐津文字太夫より常磐津綱鵬の名を許される。むすめ歌舞伎を退団後、女流常磐津奏者の道を進む。活動拠点を名古屋市と清須市におき、かつて賑わっていた「美濃路街道」に活気を取り戻すため、地域に密着した活動を展開している。艶やかな声から軽快な声まで幅広いキャラクターを一人で演じ分け、かつ現代人にも聴きやすい唄や語りは、舞台人はもとより、初めて常磐津を聴く人たちからも好評を得ている。近年ではマイムや球体関節人形、役者など、他ジャンルと積極的に共演し、浄瑠璃と三味線音楽を各地で意欲的に披露している。こうした活動が、常磐津という枠組みを越え、伝統芸能の普及に貢献していると評価され、今回の受賞に至った。

  • 常磐津綱鵬

前年度(令和4年度)の主な活動状況

2022年4月

浄瑠璃「竜潭譚」

2022年7月

名古屋能楽堂開館25周年記念「創の会公演」

2022年7月 浄瑠璃版「サロメ」

2022年

10月・11月

  

「やっとかめ文化祭」まちなか披露

  

2022年11月

第26回 五條園美リサイタル -園美の会舞踊公演-」

2023年1月 美濃路もののけストリート
2023年3月 浄瑠璃「竜潭譚」

過去の受賞者

第38回<令和4年度>

石場文子<美術(現代美術)>

松村一葉<舞踊(バレエ)>

第37回<令和3年度>

鹿島俊裕<伝統芸能(狂言)>

Chang(兵藤禎晃)<演劇(道化)>

第36回<令和2年度> 刈馬カオス<演劇(劇作・演出)>
角田鋼亮<音楽(指揮)>
第35回<令和元年度(平成31年度)> 柴野理奈子<文学(児童文学)>
下斗米大輔<舞台衣裳>
第34回<平成30年度> 衣斐 愛<伝統芸能(能楽)>
加藤恵利子<音楽(声楽)>
第33回<平成29年度> 人形劇団むすび座<演劇(人形劇)>
第32回<平成28年度> 阿部大介<美術(版画)>
第31回<平成27年度> 谷辺昌央<音楽(ギター)>
第30回<平成26年度> 出雲 草(松本あり)<舞踊(語り舞)>
第29回<平成25年度> 竹市 学<能楽笛方>
第28回<平成24年度> 濱田樹里<美術(絵画)>
第27回<平成23年度> 劇団うりんこ<演劇>
第26回<平成22年度> 鹿目由紀<演劇(劇作・演出)>
第25回<平成21年度> 井出創太郎<腐食版画>
第24回<平成20年度> 杵屋三太郎<長唄>
第23回<平成19年度> 水谷イズル<現代美術>
第22回<平成18年度> ノノヤママナコ<舞台音楽・音響>
第21回<平成17年度> やまもとかよ<声楽>
第20回<平成16年度> 野村小三郎<狂言>
第19回<平成15年度> 村田直哉<グラフィックデザイン>
第18回<平成14年度> 冬頭裕子<舞台監督>
第17回<平成13年度> 佳梯かこ<演劇>
第16回<平成12年度> 杉戸 洋<絵画>
第15回<平成11年度> 内藤美佐子<演劇>
第14回<平成10年度> 三浦 均<デザイン>
第13回<平成9年度> 坂 治栄<舞台衣裳>
第12回<平成8年度> 井上知也<舞台装置>
加藤茂外次<絵画>
第11回<平成7年度> 青山知代佳<演劇>
設楽知昭<美術>
第10回<平成6年度> 早川麻実<バレエ>
山村博男<絵画>
第9回<平成5年度> 麻創けい子<演劇>
各務信宏<絵画>
第8回<平成4年度> 神谷かん<絵画>
高安勝久<能楽ワキ方>
第7回<平成3年度> 五條園美<日本舞踊>
若林亜由<ヴァイオリン>
第6回<平成2年度> 谷上セツ子<声楽>
廣岡倭山<邦楽>
第5回<平成元年度> 堀 義幸<石彫>
御原祥子<照明>
第4回<昭和63年度> 越智久美子<バレエ>
加藤三貴子<声楽>
第3回<昭和62年度> 伊藤三朗<舞台美術>
鹿取希世<能楽笛方>
第2回<昭和61年度> 井原義則<声楽>
中矢恵子<コスチューム・デザイン>
第1回<昭和60年度> 入谷美幸<演劇>
佐々良子<バレエ>