伝統文化アドバイザー 連載エッセイ

【第1回】國分 入道光雲先生
「元気の種をまきましょう!」

「不易流行」俳聖 松尾芭蕉の言葉だ。
今の流行と伝統の良いところを織り交ぜ、新しいものを生み出す、和の伝統文化、芸能というものは本来こうであるべきと私も思う。
コロナに大きな打撃を受けたエンターテイメントの世界、特に劇場を中心に活動する者はその存続すら危ぶまれた。
我々、和太鼓の業界も、多くのチームが解散を余儀なくされた。
和太鼓の響きは直接体に響くからこそ意味がある・・・・しかし人接してはいけない、ネットやデジタルで仕事をする時代に入り、我々も試行錯誤しながら、和太鼓の楽しさを広げようと努力した。
YutubeやTiktokでの映像コンテンツの配信、ZOOMでの和太鼓指導、撮影した動画にオリジナルの曲とデジタル音を合わせ配信する等、まさに「不易流行」を現じてみた。
そのおかげで、今までにない斬新な作品がいくつか生まれ新しい可能性に気づく事も出来、新しい、ファンや応援してくださる方との出会も。
コロナが負の要素だけを生み出したわけではない、とも感じられるようになったころ、コロナも終息に向かい、舞台にもお客様が戻り始めた。
この約3年間、死に物狂いで活動を維持し続けた今だからこそ、改めて感じる、劇場のありがたさ、お客様のありがたさ。
その感謝の思いを熱と力に変え、一人でも多くの方に、「感動と元気」を届けたい。
そんな舞台人が、春の訪れとともに、今までにない、和の伝統と現代の流行のコラボから生まれる斬新な作品をひっさげ、手ぐすねを引いて皆様をお待ちしています。
「お帰りなさい!ようこそ劇場へ!」

写真:國分 入道光雲先生

和太鼓奏者

國分 入道光雲先生

更新日:2023.07.10

  1. prev
  2. 1
  3. 2
  4. 3